insomnia

主にジャンルの偏った本の感想

花魁さんと書道ガール

飽きちゃわないうちに次も書いちゃおうかなって。

前の記事の本の、前に読んだ本です。

 

 

 

『花魁さんと書道ガール』瀬那和章創元推理文庫

 

なにを隠そう、私、創元推理文庫のファンでして。

きっかけは米澤穂信さんの『古典部シリーズ』と、

『小市民シリーズ』、あと『さよなら妖精』とか

『犬はどこだ』も読みましたね。

あれ、創元推理文庫のファンってより

ただの米沢穂信ファンだったかもしれない。

本棚確認したら、越谷オサムさんの『空色メモリ』、

『ボーナス・トラック』もありました。

越谷オサムさんも大好きなんですけど。

最近では、似鳥鶏さんの『理由あって冬に出る』を読了。

今出てるシリーズは読みたいと思ってる。

とにかく一時期、手に取る創元推理文庫の本が

面白くて面白くてしょうがなくて。

推理もの大好きですし。

あと文庫の作りが好き。体裁とか、フォントとか。

なんか他の出版社と違うよね。

字が詰まってる感じ。あと奥付が好き。

ここの本は私的に間違いないなーと思っていて

本屋さん行くと棚を探しちゃうんですけど。

その時に平積みされてたこの本、気になってたんです。

たまたま図書館にあったので読んじゃいました。

 

 

タイトル通り、花魁さん(春風さん)に憑りつかれた

もっさり書道ガール(多摩子ちゃん)が繰り広げる

恋愛相談&解決物語。

 

簪を見つけたら封印解けて憑りつかれたって

なんかいいなーって思った。

結構和風のもの好きだから、

そういうのって文化とか歴史感じるし

大事にされるほど価値あがるしみたいな。

簪も花魁さんもとびきり綺麗な想像をした。

 

そのあとは、恋愛相談を受け付けて

解決していけば成仏するかもしれないって

いろんな恋の悩みを集める。

そのへんの謎解き要素は、まあぬるかったかな。

あくまで恋愛相談であって殺人が起こるわけじゃないしな。

でも、追ってた恋が実った瞬間冷めちゃったってのは

なんかリアルでいいなーって思った。

そういう子、いるいるって。

男が馬鹿なのも、わかるわかるって。

恋に恋してるのがわかって、

最後多摩子ちゃんが遊宇くんを振ったのもよかったなー。

そんで遊宇くんがあっさり美人と付き合ったの。

笑っちゃったけどよかったと思うよ。

そういうところ、なんかリアルーって。

でも結局学が多摩子のこと好きってのは!

ちょっとなー!どうせ続きが出るなら、

もっと引っ張ってほしかったなー!

春風さんいいこと言ってんのに、

みんなの恋愛が軽すぎたように感じたー!

 

あ、あと多摩子ちゃんの

人を見るとその人に合った字が浮かぶっていうの。

私は書道の経験が授業くらいでしかないけど、

わかるなーって思った!

この人にはこんな字が似合うっていうの。

フォントとかが浮かぶのもすごいわかる。

私も、人の筆跡とか見るの好きだからかなー?

多摩子ちゃんが書道のことについて

詳しく語ってるところは正直流し見しちゃったとこも

あるけど、熱意は伝わった、本当に。

花魁さんが字が綺麗ってのも納得できるし。

最後に多摩子ちゃんが書いた『恋』の作品なんか

すごいよかったんだろうなって思った。

実際そんな書があったら目を引くだろうな。

素人だから、ただの臨書より絶対いいと思っちゃう。

 

春風さんの経験の差だけで

なんでもわかっちゃうのはチートだと思うし、

ツンデレ的なキャラに萌えを感じないから

じれったいなーって思うこともあったけど、

多摩子ちゃんの最後の成長見れて

よかったかな、とは思いました。

おばあちゃんの姿を見て、

自分は間違ってたって素直に思えるところも

よかったなって思う。

 

この作品はもう続きが出てるので、

また図書館に入ってたら読もうと思います。

楽しみだなー!

でももうこの年で高校生の恋愛話は

甘すぎだなー!

 

ローソンの新作のゴディバコラボくらい甘いよ。